SONY HVR-Z5J + HVR-MRC1K


●ビデオカメラもここまできたか

最近は動画撮影の依頼が増えてきた。もちろん、私の分野では手術シーンや手技の映像であり、美しい女性モデルなんておいしい話はない。動物の内臓ばかりだ。
10年以上、DCR-VX2000を使っていたが、テープを認識しないなど、そろそろ不具合が起き始めており、撮り直しができない手術シーンではいささか不安になってきた。
検討した結果、また今後10年使う前提でHVR-Z5Jを購入した
最大の理由はメモリーレコーディングユニットHVR-MRC1Kが本体に取り付け可能だったからである。このHVR-MRC1Kは極めて有用な機器であり、コンパクトフラッシュ(CF)にテープと同内容(別フォーマットもできる)のデータを記録できる優れものである。テープなしでも撮影可能である。しかも編集困難なAVCHDフォーマットではなく、ハイビジョンはHDV(Mpeg2)、DVはAVIで記録できる(でかいけど)。私のように長時間の手術を2分にまとめるといった仕事ばかりだと、まず数時間のテープをパソコンに読み込むだけで、滞りなく行ったとしても撮影時間と同じ数時間かかるが、CFだと市販のカードリーダーでも瞬時に取り込めてしまう。フォーマットはm2tであるが、AdobePremiereProCS3ではそのまま読み込め、編集可能だ。これで作業効率が格段によくなった。
HVR-Z5Jの光学20倍ズームもスペック上はかなり無理な設計をしていると思い、最初はあまり期待していなかったのだが、35mm版換算で約30mmの広角から約600mmの超望遠まで連続無段階でカバーできるありがたさは使ってみて改めて感じた。スチルカメラのズームではあり得ない(あっても性能が悪い)ズーム倍率であるが、イメージサークルが小さいためか、HVR-Z5Jでは全域で破綻無く使えることは驚きである。手ぶれ補正も良く効き、手持ち600mm相当でもがんばれば結構撮れる。
ズームテスト
久しぶりに晴れたので、いつも野鳥を撮る公園でテストを行った。まずは光学20倍ズームと600mm相当での手持ち撮影の可能性を探った。
撮影地:相模大野中央公園
カメラ:HVR-Z5J
メモリーレコーディングユニットHVR-MRC1K
三脚:なし
PremiereProCS3にてM2Tを編集、1/4(360×270dot)に縮小、WMV出力。Web用に1Mbpsに圧縮しているため、画像はかなり劣化している。
光学20倍ズームは優れものだ。広角端が約30mm(35mm版換算)なところがいい。30mmから600mm近くまでズームできる。さすがに600mmでは像がゆれるが、三脚を使えば問題ないだろう。鳥などを撮るのであれば、機動性を重視して一脚が適しているかもしれない。
(Photo:Akira Yamanouchi)