CASIO EX-F1 |
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●デジタルのデジタルによるデジタルのためのカメラ
某K博士からメールをいただいた。
「朝一番にヨドバシに参り、F1をゲットしてきました!当然ですが、大学なんか、行ってはいられないです。・・・・・・(中略)」(注:大学教授のくせに!)
「日曜日に遊ぼーぜ!」
めずらしく興奮されているご様子で、オモチャを買ってもらった子供のようにお茶目だ。
で、28日(木曜日)が発売日で、31日(日曜日)に鎌倉で待ち合わせをして試写という話にまとまった。
机上のスペックでは、静止画60コマ/秒、動画1200fpsは知っていたものの、実際撮影するまでは半信半疑であった。しかし、不満点はまだあるにしろ、使い方によっては確かにすごいものである。少なくとも、今までフィルムでは不可能もしくは実現するためには数千万円の機材が必要だったことが、たかだか十万円のコンパクトカメラで実現できてしまうことには目を見張るものがある。
ここへ来て、ようやく本当の意味でデジタルを活かしたカメラが登場してきた感がある。今までは「フィルムと比べてどうだ」とか、「何Mpixelあるか」といった議論が中心であったが、もうそういう時代ではない。カメラメーカーも、フィルム時代の呪縛から解き放たれるべきであろう。
NikonD3のISO25500、11コマ/秒を見たとき、一つのブレークスルーを感じた。もうフィルムとの比較はナンセンスであると。
今回も静止画60コマ/秒、動画1200fpsを目の当たりにして、これはデジタルの可能性をとことん追求した次世代カメラ時代の到来を予感させられた。
スナップ
ちょうど荷物を置いたまま遊んでいる少年たちがいて、カラスがそれを狙っていた。少年たちが気づき、あわててカラスを追い払いに走ってきたところをすかさず撮影した。
私は普段スチルカメラで鳥の飛行写真を撮影しているので、F1でも難なくファインダーで追うことができたが、初めての人はかなり練習が必要と思われる。
秒間1200フレームは超高速度撮影であり、通常の30fpsで再生すると超スローモーションとなる。鳥の飛翔の解析には有用であろう。
撮影地:鎌倉(由比ガ浜)
カメラ:Casio EX-F1
モード:動画1200fps
PremiereProCS3にてMOVをWMVに変換。Web用に圧縮しているため、画像はかなり劣化している。元のMOVはもう少しきれい。
(Photo:Akira Yamanouchi)ただ、まだまだ不満点も多い。ファインダー、フォーカスのラグ、スイッチ類の配置など、改良の余地があると思う。動画は、300fps、600fps、1200fpsを切り替えられるが、コマを多くすると上下がどんどんカットされ、横長の画面になってしまう。想像するに撮像素子の読み出し速度による制約だと思われるが、フル画面で1200fpsを実現して欲しいところである。
しかし、今後この路線で技術革新がすすむと、すばらしいものになる予感がする。