Fマウント変換アダプタ(FT1)が発売になり、今まで一眼レフを使用していた自作顕微鏡写真撮影アダプタにそのままNikon1 V1が装着できるようになった。早速試写をしてみる。
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1. 顕微鏡写真(明視野)(2011/12/30) ようやく顕微鏡写真をテストする時間ができた。当初から思っていた通り、素晴らしい性能を発揮した。以下の4枚は全て露出はプログラムモード、分割測光の自動、ホワイトバランスも自動で撮影。 この写真は通常のケーラー照明(明視野)での撮影。最初はダメもとであえて自動で撮影してみたが、電球色もかなり補正され、これも見た目通りの結果が得られる。 V1にはコンポジット出力があるため、今まで顕微鏡動画撮影に使用していたモニターがそのまま使えた。外部モニター出力時は、本来EVFもしくは背面液晶に表示されている画像がすべて常時出力されるため、外部モニタを見ながら構図やピントを合わせ、赤外線リモコンで撮影した。Nikon1はエレクトロニックシャッターを使えるので、リモコン操作で完全に無音・無振動撮影が可能である。 これは専用の顕微鏡カメラと比較しても相当優秀な部類である。 さらにHD画質の動画や、高速度撮影、インターバル撮影までできてしまう。 顕微鏡カメラとしてもう一台欲しいくらいだ。 強いて言えば、USB接続で電源供給できて、PCで画面を見ながらマウスクリックで撮影できれば最高だったのだが。 Camera : Nikon 1 V1 Adapter : FT1 Microscope : Olympus CH-2 Objective Lens : Olympus SPlan 10 PL 0.30 160/0.17 Photographic Lens : NFK 5x LD Condenser : Universal Condenser (Bright Field) |
2. 顕微鏡写真(位相差)(2011/12/30) 位相差像もオートでそのまま撮影した。 これもほぼ見た目通りだ。今までD1xで苦労してプリセットホワイトバランスを合わせ、露出も追い込んで苦労して撮影していたものが、いとも簡単に撮れてしまう。ちょっとムカツク。 Camera : Nikon 1 V1 Adapter : FT1 Microscope : Olympus CH-2 Objective Lens : Olympus SPlan 10 PL 0.30 160/0.17 Photographic Lens : NFK 5x LD Condenser : Universal Condenser (Phase Contrast) |
3. 顕微鏡写真(暗視野)(2011/12/30) これもそのままのオート。2つ前の明視野を撮影した設定そのままである。これにはさすがに驚いた。普通であれば絶対に露出オーバーで、背景がグレーで、ターゲットが白飛びした写真ができていたはずである。おかしい。何を撮ろうとしているのかを、カメラが分かっているかのようだ。中に誰か入っているのか。 Camera : Nikon 1 V1 Adapter : FT1 Microscope : Olympus CH-2 Objective Lens : Olympus SPlan 10 PL 0.30 160/0.17 Photographic Lens : NFK 5x LD Condenser : Universal Condenser (Dark Field) |
4. 顕微鏡写真(偏斜照明)(2011/12/30) ここまで、同一視野を4つの照明方法で撮影。これはユニバーサルコンデンサをずらして偏芯させ、立体感を得る手法である。屈折率の違う微生物に、光が当たっている側には白い縁取り、反対には黒い影ができる。これはアクティブDライティングのお陰か、白とびや黒つぶれが最小限に抑えられているようだ。 Camera : Nikon 1 V1 Adapter : FT1 Microscope : Olympus CH-2 Objective Lens : Olympus SPlan 10 PL 0.30 160/0.17 Photographic Lens : NFK 5x LD Condenser : Universal Condenser (Eccentric Illumination) |
5. 顕微鏡写真(明視野10x)(2011/12/31) HE染色標本。カエルの皮膚。オート撮影でどこまで色再現できるかテストしてみた。ヘマトキシリン、エオシンとも優れた発色で、見た目通りである。カラーバランスもオートで、色補正は何もしていないが、何もない部分がきちんと白くなるところが、並の顕微鏡専用カメラよりも遥かに優秀だ。 この画像を含めて3枚はコンポジット画像であるが、完全無振動撮影が実現できるので、ズレは全く生じない。5枚スタック。 Camera : Nikon 1 V1 Adapter : FT1 Microscope : Olympus CH-2 Objective Lens : Olympus SPlan 10 PL 0.30 160/0.17 Photographic Lens : NFK 5x LD Condenser : Universal Condenser (Bright Field) |
6. 顕微鏡写真(明視野20x)(2011/12/31) 同標本20倍レンズ。5枚スタック。 Camera : Nikon 1 V1 Adapter : FT1 Microscope : Olympus CH-2 Objective Lens : Olympus PlanApo20 0.70 160/0.17 Photographic Lens : NFK 5x LD Condenser : Universal Condenser (Bright Field) |
7. 顕微鏡写真(明視野40x)(2011/12/31) 同標本40倍レンズ。8枚スタック。 Camera : Nikon 1 V1 Adapter : FT1 Microscope : Olympus CH-2 Objective Lens : Olympus PlanApo40 0.95 160/0.17 Photographic Lens : NFK 5x LD Condenser : Universal Condenser (Bright Field) |
結果として、Nikon1 V1は、顕微鏡カメラとしてもすこぶる優秀である。エレクトロニックシャッターにより、完全無音・無振動撮影が可能であり、さらにオートホワイトバランス、自動露出が極めて優秀であるため、期待以上の結果であった。
おまけにハイビジョン動画も撮れてしまう。
USB接続などで、PCからの調整、撮影ができ、メディアを介さずにUSBで画像データがリアルタイムで転送できれば50万以上の顕微鏡カメラにひけをとらない性能を発揮するであろう。今後のシステムの充実に期待する。
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