望遠ズームと2倍テレコンバータ使用レポート
AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-200 F2.8G(IF) + AF-S Teleconverter TC-20E II


中古のAF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-200 F2.8G(IF)を入手したので、2倍テレコンおよびD2xsのクロップ機能などとの相性をテストしてみた。
以下の画像は全て同一地点から撮影し、3216×2136ドットの画像を長辺が600ドットになるように縮小した。括弧書きの焦点距離は35mm版換算値である。

12-24mmによる全体像サンプル画像

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12mm(18mm)
鎌倉の大仏をターゲットとしてテストを試みた。広角側で撮影。
カメラ:Nikon D2Xs レンズ:AF-S DX Zoom-Nikkor ED 12-24mm F4G(IF)
撮影条件:絞り優先 F8-1/160秒 測光:分割測光 ISO:100 WB:AWB クロップ:OFF
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24mm(36mm)
望遠側
カメラ:Nikon D2Xs レンズ:AF-S DX Zoom-Nikkor ED 12-24mm F4G(IF)
撮影条件:絞り優先 F8-1/160秒 測光:分割測光 ISO:100 WB:AWB クロップ:OFF



AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-200 F2.8G(IF) 広角側70mm

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テレコンなし・クロップなし 70mm(105mm)
D2xsにレンズを装着しただけの普通の構成である。
カメラ:Nikon D2Xs レンズ:AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-200mm F2.8G(IF)
撮影条件:絞り優先 F5.6-1/320秒 測光:分割測光 ISO:100 WB:AWB VR:ON クロップ:OFF
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AF-S Teleconverter TC-20E II装着、クロップなし 140mm(210mm)
2倍のテレコンバータを装着。画質と明るさの面から2倍テレコンは敬遠されがちであるが、このレンズとの相性は悪くない。元々諸収差を徹底して排除しているためか、2倍テレコンでも収差は目立ってこない。
カメラ:Nikon D2Xs レンズ:AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-200mm F2.8G(IF) テレコン:AF-S Teleconverter TC-20E II
撮影条件:絞り優先 F5.6-1/250秒 測光:分割測光 ISO:100 WB:AWB VR:ON クロップ:OFF
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AF-S Teleconverter TC-20E II装着、クロップオン 140mm(280mm)
テレコンバータで2倍、クロップオンで2倍の計4倍になる。レンズ広角側70mmが35mm版換算280mmとなる。
カメラ:Nikon D2Xs レンズ:AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-200mm F2.8G(IF) テレコン:AF-S Teleconverter TC-20E II
撮影条件:絞り優先 F5.6-1/250秒 測光:分割測光 ISO:100 WB:AWB VR:ON クロップ:ON

AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-200 F2.8G(IF) 望遠側200mm

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テレコンなし・クロップなし 200mm(300mm)
D2xsにレンズを装着しただけの普通の構成である。
カメラ:Nikon D2Xs レンズ:AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-200mm F2.8G(IF)
撮影条件:絞り優先 F5.6-1/500秒 測光:分割測光 ISO:100 WB:AWB VR:ON クロップ:OFF
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AF-S Teleconverter TC-20E II装着、クロップなし 400mm(600mm)
2倍のテレコンバータを装着。かなり迫力が増す。色収差などによるエッジの色付きもなく、2倍テレコンを使用しても良好な画像が得られる。元のレンズの設計が良いと、かなり無理なことをしても破綻しない。
カメラ:Nikon D2Xs レンズ:AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-200mm F2.8G(IF) テレコン:AF-S Teleconverter TC-20E II
撮影条件:絞り優先 F5.6-1/250秒 測光:分割測光 ISO:100 WB:AWB VR:ON クロップ:OFF
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AF-S Teleconverter TC-20E II装着、クロップオン 400mm(800mm)
テレコンバータで2倍、クロップオンで2倍の計4倍になり、35mm版換算800mmの超望遠となる。クロップではF値が変わらないため、F5.6は維持されている。800mm相当のレンズで、1/350秒手持ちで撮影しているが、VRは正しく作動し、まったくぶれていない。
カメラ:Nikon D2Xs レンズ:AF-S VR Zoom-Nikkor ED 70-200mm F2.8G(IF) テレコン:AF-S Teleconverter TC-20E II
撮影条件:絞り優先 F5.6-1/350秒 測光:分割測光 ISO:100 WB:AWB VR:ON クロップ:ON

D2xsを購入した理由は本機が唯一持っているクロップ機能である。昨今の一眼レフデジカメの主流は1000万画素オーバーになりつつあるが、A3以上に引き伸ばす用途がない限り、600万画素あれば通常は十分である。その点、D2xsのクロップOFF時のMサイズ出力、クロップON時のLサイズ出力はともに約600万画素であり、3216×2136ドットのサイズが双方ぴったり同じである。通常はこのサイズで使用し、集合写真などの拡大を余儀なくされる用途の場合のみフルサイズの4288×2848で使用するという使い方ができるので便利だ。
クロップ機能を使用すると、画角が35mm版換算で2倍相当となり、F値が変わらない。ボディ側のコントロールだけで、35mm版200mmF2.8が、300mmF2.8になったり、400mmF2.8に早変わりするのは大変ユニークな機構であり、重宝する。単体の400mmF2.8は100万以上するレンズであり、スペック上はそれと同一なレンズが安価に手に入ることになる。
2倍のテレコンを使うと200mmF2.8は400mmF5.6になるが、D2xsに装着するとそれが600mmF5.6、800mmF5.6に変身する。望遠レンズやマクロレンズには大変有利である。
元の素質が良いレンズであれば、2倍テレコンでもそれほど像の悪化は見られず、クロップと組み合わせると35mm版換算で4倍になるところが魅力である。野鳥の撮影などに効果を発揮するであろう。