デジタルカメラ画像サンプル(顕微鏡編)


●倍率による変化
イグアナの条虫卵
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対物10x
顕微鏡:Olympus CHS-F DPLAN 10x、明視野(ケーラー照明)
カメラ:Nikon D1x 撮影レンズ:NFK2.5x LD
多くの虫卵や原虫は10xで検出可能なので、スクリーニングに適した倍率である。しかし、細部を観察するには至らない。
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対物40x
顕微鏡:Olympus CHS-F A40 PL、明視野(ケーラー照明)
カメラ:Nikon D1x 撮影レンズ:NFK2.5x LD
10倍接眼レンズを使用して総合倍率400倍になると虫卵の細部も観察でき、内部構造も明確になる。
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対物100x
顕微鏡:Olympus CHS-F DPLAN 100x(Oil)、明視野(ケーラー照明)
カメラ:Nikon D1x 撮影レンズ:NFK2.5x LD
細部を観察する場合は油浸100x対物レンズを使用する。対物レンズの解像度を最大限に引き出すため、コンデンサの絞りは開放から20〜30%絞り込む。
デジタルカメラであれば、視野のできるだけ何もない部分でカラーバランスのカスタム設定を行うと自然な発色の写真が撮れる。カラーバランス調整後に光源の調整をすると色温度が変わってしまうので、最後に行う。


●コンデンサ絞りによる変化
イグアナの条虫卵
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開放
顕微鏡:Olympus CHS-F DPLAN 100x(Oil)、明視野(ケーラー照明)
カメラ:Nikon D1x 撮影レンズ:NFK2.5x LD
コンデンサの絞りを開放から少し絞ると、被写界深度は浅いが、レンズの持つ解像度を引き出せる。開放に近い場合は厳密なピント調整が必要。
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絞込
顕微鏡:Olympus CHS-F DPLAN 100x(Oil)、明視野(ケーラー照明)最小絞り
カメラ:Nikon D1x 撮影レンズ:NFK2.5x LD
被写界深度が深くなり、合焦範囲が広くなるが、回折により解像度は低下する。

●照明方法による変化T
イグアナの条虫卵
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明視野
顕微鏡:Olympus CHS-F A40PL、明視野(ケーラー照明)
カメラ:Nikon D1x 撮影レンズ:NFK2.5x LD
最も一般的な照明方法であるが、透明な組織はほとんど見えない。上の写真では卵殻の周りに円形の透明組織があるのだが、通常の明視野では確認するのが困難である。
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位相差
顕微鏡:Olympus CHS-F A40PL、位相差
カメラ:Nikon D1x 撮影レンズ:NFK2.5x LD
位相差レンズと位相差コンデンサの組み合わせにより、透明な組織でも屈折率が異なれば、固定や染色をしなくても明暗の差として観察することが可能。原虫類を生体のまま観察するのに適する。明視野と同一のカットであるが、周辺の組織もはっきりと確認できる。
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暗視野
顕微鏡:Olympus CHS-F A40PL、暗視野
カメラ:Nikon D1x 撮影レンズ:NFK2.5x LD
光を反射する物体を強調できるため、存在の確認に適する。絞り調整ができないため、被写界深度は最も浅くなり、ピント調整を厳密に行う必要がある。

●照明方法による変化U
イグアナの条虫卵
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明視野
顕微鏡:Olympus CHS-F DPLAN 10、明視野
カメラ:Nikon D1x 撮影レンズ:NFK2.5x LD
10倍対物レンズによる通常の明視野照明である。透明組織はほとんど見えない。
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偏斜
顕微鏡:Olympus CHS-F DPLAN 10、明視野
カメラ:Nikon D1x 撮影レンズ:NFK2.5x LD
コンデンサを偏芯させることにより、斜めから光を照射すると立体的に見えるようになる。透明な物体でも屈折率の違いにより影ができるので、明視野で見えなかったものが確認できる。
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偏斜(画像処理)
顕微鏡:Olympus CHS-F DPLAN 10、明視野
カメラ:Nikon D1x 撮影レンズ:NFK2.5x LD
画像処理を行うことにより、より明確にすることが可能。この例ではグレースケールに変換し、コントラストを強調した。
色収差が残っているレンズでは、画像処理によっていくらか救済することが可能である。
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位相差
顕微鏡:Olympus CHS-F A10PL、位相差
カメラ:Nikon D1x 撮影レンズ:NFK2.5x LD
同一カットの位相差観察。位相差では屈折率の異なる透明組織に明暗のコントラストがつき、驚くほど明確になる。原虫類の鞭毛、繊毛などの観察に威力を発揮する。


手術室の撮影について
画像サンプル(一般画像)
画像サンプル(顕微鏡画像)
回折による解像度低下テスト
使用機材