呼吸器系疾患


b-ball 概要

低温飼育による免疫力の低下や過度のストレスによって呼吸器系の感染を引き起こすことがある。呼吸器系の感染症の症状には次のものが見受けられる。
これらの症状が見受けられた場合、環境温度を2,3℃高くするとよい。また、低湿度環境も呼吸器に悪影響を及ぼすので、湿度も60%以上に上げることも必要である。
症状が改善されなかったり、悪化するような場合は、直ちに獣医師に相談することをすすめる。
また、床材の種類によっては粉を発生したり、不衛生にしているとカビやダニが発生し、それによって呼吸器系に障害をもたらすこともある。治療中は床材などを排除したほうが良いであろう。
イグアナでは、アレルギー性の呼吸器疾患も報告されている。特定の食物を食べた後に急性の呼吸困難に陥り、致命的になることがある。はじめて与えるものは少量ずつ様子を見ながら与えるようにする。アレルゲンは個体によって異なるので特定できない場合が多い。
アレルギー性の呼吸器疾患は急性であり、呼吸困難に陥ったら早急に病院での手当てが必要である。酸素吸入、場合によっては気管送管が必要である。
寄生虫によっても呼吸困難の症状を示すことがある。肺吸虫などの寄生も考えられるが、イグアナでの報告例は稀である(ヘビ、カメには比較的多い)。肺吸虫類の卵も、気管から食道に入り、消化管を通って便とともに排出されるので、検便によって確認できる。
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イグアナの気管開口部(写真提供:VEIN
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イグアナの肺(写真提供:VEIN