概要
日本で飼育している場合は、秋から春の間に多くのイグアナは発情期を迎える。
オス
オスが発情期を迎えると、次のような変化が現れる。オスイグアナは、早い個体で生後1年ほどで性成熟し、縄張を主張したり、ヘミペニスを突出させたりするようになる。また、外見的には鼓膜下大鱗片(鼓膜の下にある大きな丸い鱗)付近が左右に張りだす。雌雄で飼育している場合は、メスに交尾をしかける行動が頻繁にみられるようになる。
- ヘミペニス(HemiPenis)を出す
- 鼓膜下大鱗片付近が左右に張出す
- ボビングの回数が増える
- 体色がオレンジ色になる
- 雌雄で飼育している場合は交尾行動がみられる
- 食欲が減退もしくは完全に拒食する
- 攻撃的になる
- 縄張を主張する。特にオス同士の場合は激しい争いが起きる
- そけい孔中心から蝋状の分泌物が突出してくる
- 有色(オレンジ色)の尿酸を排泄する
オスは発情期を迎えると体色がオレンジ色になる個体が多く、攻撃的になる個体もいる。幼体の頃は発情期が終了すると緑色に戻るが、成体になるとオレンジ色のままの個体も多い。
発情期間中は食欲が減ったり、完全に拒食する個体が多いが、これは正常である。
メス
メスが発情期を迎えると、次のような変化が現れる。メスイグアナは1年半から2年で性成熟し、単独飼育でも産卵する。卵を持つと拒食するが、これは正常な行動である。多産系のイグアナは一度に20〜80個の卵を産むため、消化管が卵によって圧迫され、食餌を摂ることができない。
- 下腹部が膨れた「ナスビ型」の体型になる
- 食欲が減退もしくは完全に拒食する
- 卵を持つ
- 地面を掘る行動が頻繁に見られる
雌雄で飼育している場合は、交尾行動が観察される。
全身オレンジ色を呈する成体のオス(写真提供:VEIN)
交尾行動(写真提供:VEIN)