骨折


b-ball 概要

人為的な事故や落下などにより、イグアナは比較的頻繁に骨折が見られる。本来は丈夫な生き物であるが、不適切な環境や食餌により、軽度のMBD(代謝性骨疾患)に陥っている個体が多く、骨が弱くなっていることが主な原因であると考えられる。
骨折の疑いがある場合は、直ちに動物病院で診察を受けることを薦める。
四肢の骨折の場合は、ピンによる固定や、創外固定、体幹や尾への固定などで対処する。四肢の場合は予後は比較的良好であるが、処置が遅れたり、骨折部位の問題や血管を傷つけたりした場合、血行壊死を起こしたり、麻痺が残ることもある。
尾の骨折は固定しにくく、治療が困難である。自然治癒にまかせることも多いが、血行壊死により脱落したり、麻痺が残ることが多い。
脊椎の骨折は落下事故や重度のMBDなどで起きる。また、高齢の個体に発生する傾向が高い。脊椎骨折の場合、ほとんどの場合は神経の損傷を伴うので予後不良なことが多い。できるだけ早い段階でステロイド治療などを行うと良い。骨折部位によって、四肢の麻痺、尾の麻痺が起こる。また、排便障害が起こる確率も高く、その場合は人為的に排泄をさせる必要がある。軽度の障害もしくは、障害がない場合、化骨後平常に戻ることもある。
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大腿骨骨折(写真提供:VEIN
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脊椎骨折(写真提供:VEIN