外部寄生虫


b-ball 概要

イグアナの外皮にすむ寄生虫で、代表的なものとしてダニがある。現在、日本に入ってきている幼体のイグアナには少なくなってきているようだが、ペットショップのケージや、他の爬虫類などからの感染も考えられる。
ダニは、種類も大きさもさまざまで、目に見えないほど小さいもの(Mites)から、数ミリのもの(Ticks)まであり、中には1cm位になるものまで含まれている。成長すると、ダニとは思えないほど大きくなり「できものができた」と思う人も多い。 ダニは放置しておくと、直接的な害よりも二次的な被害の方が深刻である。顔や体をケージに擦りつけたり、引っかいたりして傷ができ、そこから感染症を起こす。種類によっては、人間を含む他の動物にも害をおよぼすことがあるので、発見次第、ただちに完全に駆虫する。
大型で目に見えるものは、その部位をアルコールで消毒し、ダニを殺してから、直接ピンセットなどで取り除く。頭部がウロコの間に深く入り込んでいるので、注意深く引き抜く。
小さいダニの存在は、辺りがダニのフンで白い粉をかぶったようになるので認識できる。首や鼓膜の周り、総排泄孔付近を特に良く観察する。ダニが発見されたら、薬浴させるのが効果的である。
一度ダニが発生すると、イグアナ本体のダニをいくらとっても、駆虫できない場合が多い。ダニはケージの隙間や、レイアウトに使われている木の枝などに潜んでいることも多く、これらを消毒しない限り、完全駆虫は困難である。木製のケージの場合は、さらに困難であろう。ケージの消毒は、イグアナとケージ内の設置物をすべて取り出し、薄めた漂白剤などで消毒する。漂白剤を使用した場合は、イグアナを戻す前に十分乾燥させる。
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頭部に寄生しているダニ(写真提供:VEIN
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ダニの寄生によって、イグアナが引っかいたり、擦りつけたりすることから外皮は傷つき、感染症を起こして変色する(写真提供:VEIN
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小型のダニには薬浴が効果的である(写真提供:VEIN