概要
発情期のオスや産卵前のメスは例外であるが、通常イグアナはほぼ毎日食餌を摂り、毎日排泄する。何らかの原因で排泄機能の障害が起きると便秘になり、腹部が膨満し、呼吸困難に陥ることもある。
便秘の原因としては、次のものが考えられる。
さらに、これらが複合的に併発していることもある。まずは、原因を追求し、対処法を検討することが重要である。
- 脱水
- 不適切な餌
- 低温飼育
- 異物摂取
- 腎不全
- 骨折
レントゲン検査によって、骨折や異物は判定でき、腹部膨満の原因が食滞なのか、異常発酵によるガスなのかも判断できるであろう。場合によってはバリウム検査も必要である。また、馴れた獣医師であれば、腎臓の肥大なども読影できるかもしれない。
メスの場合は必ずレントゲンや超音波で卵ではないことを確認する。
血液検査では脱水状態も把握でき、食餌の適不適もある程度判断可能である。
食餌や環境が原因である場合は、野菜や野草を中心に水分の多いフルーツなどを与え、環境の温度をやや高めに設定すると良い。
病院での処置としては、浣腸などによって排泄を促す手法が効果的である。
便秘のイグアナ(写真提供:VEIN)
食塊とガスのX線写真(写真提供:VEIN)